【回想録】古臭いSIerでビアバッシュをやってみた(2018年1月時点)
もう1年ほど前になるが、大企業病真っ盛りな弱小SIerをカイゼンするためにビアバッシュをやってみたので纏めておく。
はじめに
レガシーなSIの中で、何を課題と認識し、原因を想定し、どうやってみて、どうだったのか、を書いておく。
なお、今回まとめたビアバッシュをやったのは2018年1月だったので、当時書きかけだったブログエントリーにちょろっと加筆・修正しています。
アルコールやピザの調達方法なんかはたくさん情報があるので、そういう情報が欲しい方は別途ググるよろし。
感じていた課題・問題点
「なぜビアバッシュをやったのか」理由をまとめる為に、まずは何を課題と認識していたのかを書く。
2017年11月頃、下記のような問題点を感じていた。
- 社外の勉強会で同僚や同じ会社の人に会わない
- 親会社の人はちょこちょこいるらしい
- 自分がここ数ヶ月で行き始めたということは棚に上げる
- 同じ事務所内にある3つのSI部門で情報共有が殆どされていない
- 特に私の所属する部門は、フロア(階)が他の2部門と違ったり、主な顧客が親会社か他社かの違いがあったりして、コミュニケーションが断絶されている
- 半期毎の期初に開催される方針説明会で、他の部門が(社内的には先進的な)chatbotをやっていることを知って驚いたと同時に、なぜ事例共有がされていないのか、という疑問に思ったのがキッカケ
- 半期毎の期初に開催しているキックオフ宴会の参加者が非常に少ない
- 私も行ってないですが。
原因は何か?解決策は?
これらの問題に対する原因の仮説と解決案を考えていた。
社外勉強会で同僚や同じ会社の人に会わない
想定原因
- 外の世界が刺激的で楽しいことを知らないから社外に出ないんじゃないか?
- 新しいことを知ること・学ぶことが刺激的で楽しいことを(ry
解決案
社内で勉強会をして、普段の業務より進んでる事例を聞けば、意識が変わるのではないか?
つまり、勉強会的なイベントがあると良いのではないか?
同じ事務所内にある3つのSI部門で情報共有が殆どされていない
想定原因
- 部門長の会議や課長職以上が集まる会議では情報共有されているが、担当レベルには落ちてきていないのでは?
- 弊社(弊部門)に、ナレッジをシェアするシステム・仕組みがない。
解決案
- 管理職以上のみに情報共有が閉じているのであれば、担当レベルが事例共有できる仕組みや場があれば良いのでは?
- 後に、管理職以上の会議体でも事例共有はロクにされていないと知った。マジで情報共有してないのかよ。。。
- ナレッジシステムを導入したいが、部門間の壁が高いし、説得し辛い。更にいうと内製力がないため、曖昧な要件で請負発注して、使えないモノが出来上がって無駄に費用だけ掛かりそう。
半期毎の期初に開催しているキックオフ宴会の参加者が非常に少ない
想定原因
- オジサン達の昔話や武勇伝的な話ばかりで、生産的じゃないし、何より毎回同じような話で面白くない。(私がそのクチ)
- お金が勿体無い。(私がそのクチ)
解決案
- 面白そうな話が聞けるなら行くんじゃないか?
- 1000円とか1500円とかで軽く飲めて、ピザとか唐揚げがあったら行くんじゃないか?
ビアバッシュにたどり着いた
まぁ途中から結論ありきというか、ビアバッシュというイベントを知って「ソレダ!」ってなった感があったのは間違いないです。 んでもって、外のビアバッシュに行く勇気は当時なくて、とりあえず社内でやってみよう!というのもあった。 かくして社内でビアバッシュをやろうと決めたのである。
でも、レガシーなSIでビアバッシュなんてホンマに出来んのん??
ビアバッシュをやろう、と決めたものの、勿論発表系のセッションもやるつもりなので、大きなモニターかプロジェクターが必要だった。普段から飲食している食堂にそんな大きなモニターはないし、事務所の環境的に、持っていくのはかなり大変。
食堂以外には、100人ほど入る大きな会議室はある。しかし、ここは大企業病でレガシーな会社、、、飲食許可が出る気がしない。。
とはいえ、聞いてみないと始まらない、ダメならそれこそ縁がなかったと諦めて転職しよう、と、ダメ元で管理部門(スタッフ部門)の担当者に聞いてみた。
許可出た!!!!
これがホント一番ビックリしたことかもしれない。許可出ちゃったよ。
ゴミは持って帰れとか意味分からん事言われたけど。
言ってみるもんです。
企画・募集してみる
ビアバッシュができることになったので具体的に企画していった。特に気にしたことは下記の通り。
目標設定
これは割りとすんなり決めた。 まずは10名以上集める。 その上で、技術セッション・趣味セッション両方アリにする。 酒とピザと趣味セッションで釣って、技術セッションを聞いて興味を持ってもらう作戦だ。興味を持って、面白いと思って貰えれば、社外勉強会にも行くかも知れない。
人を集めるための施策・企画内容
日程
人を集めるなら、企画に興味のある人がちょっとでも多く参加できる日程にする必要がある。なので、日程を決めるために告知とともにアンケートを取り、一番参加者数の多い日を開催日に設定した。
非技術セッション
社員に趣味でピン芸人をやってる人がいたので、ネタをお願いしたのが1つ 最近私が家を買ったこともあり、その辺りの話を聞きたい、とリクエストをもらったので、1セッション話すことにしたのがひとつ。 社員のギター大好きおじさんに声をかけて、演奏会をしてもらうことに。 ※ただし、前日インフルエンザが発症しておじさんはビアバッシュ欠席というオチ付き。
技術セッション
AWSの話と、上で書いたチャットボットの話をそれぞれ声をかけて発表してもらうことにした。
偉い人は来ないようにした
事前にアンケートを取ってみたら、部門長クラスが来るなら行きたくない、という人が少なくともいたので、部門長クラス以上の人は来ないでくださいとお願いした。 心理的安全性の低い環境では結構重要なのかなと思ってる。次回は制限を設けないようにしてみて、違いを検証しようかなと考えてる。
パートナーさんも誘った
社員に絞ると参加者が増える気がしなかったし、共有しない理由もないと思ったので、パートナーさんにもお声がけした。
やってみた結果どうやったん?
参加人数:焼く20人
開催後アンケート結果
良かった点
- 思っていたより良いフィードバックが多かった
- チャットボットのセッションへの質問が結構出た。
悪かった点・反省点
- 個人的な最大の反省は、タイムキーパーを用意しなかったこと。自分自身も含めて、結構予定時間をオーバーして喋ってしまった。酔っ払うと余計によく喋るよね。
- 社員の参加率は低く、パートナーさんが結構な割合を占めてしまった。
- 普段から技術に触れている人の方が興味が強かったのか?
効果あったの?
社外勉強会で同僚や同じ会社の人に会わない
変化なし。会わないものは会わない
同じ事務所内にある3つのSI部門で情報共有が殆どされていない
少なくとも発表頂いた内容はシェア出来た。仕組み化は必要そう。
半期毎の期初に開催しているキックオフ宴会の参加者が非常に少ない
結構な人数に参加頂いたので、金額を抑えるのはアリだと思う。
思いもよらない繋がりが生まれた
直接的な効果ではないが、ビアバッシュをやったことで思いもよらない繋がりが生まれました。
弊社のグループでは、子会社の社員も含めて利用可能なSNSを運用している。過去に一度使ってみた時は本当にしょーもない感じだったので全然ログインしていなかった。
ただなんとなく、ビアバッシュ当日に「本日は職場でビアバッシュ!」と投稿してみたところ、結構な反応があったんです。「ビアバッシュって何か気になって調べたらめっちゃ楽しそうやん」とか「そんなんやってるなら行ったのに!」とか「どうやったんか教えて!」という感じの。
「あれ?需要あるんや」と思って、社内でビアバッシュでの飲食物の調達ややってみた感想みたいなことをスライドに纏めてシェアしたところ、結構な数の閲覧が付いた。
グループ全体で見ると、光はあるんだなと感じて、そこでコメントをくれた方と繋がることができた。
これは結構大きな収穫だったと思う。
最後に
まだやり始めたばかりだから当然っちゃ当然なんだけど、この段階では大した効果や変化は出てきていない。ただ、企画内容ややり方次第で、少しずつでも変わるのかもしれない、という本当に小さな光が見えた気がした。
職場の文化に絶望している方、とりあえずビアバッシュをやってみるのはアリだと思いますよ!
以上だす。